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CMの企画と制作予算・見積書

YouTube用もTV用も作り方は原則同じ

みなさんが「CM」と聞いてイメージする15秒とか30秒の映像は、2分、3分、あるいは10分くらいの尺があるPR映像とは、企画も構成も大きく異り、短い尺の中で端的に狙ったイメージを伝える、映像の粋とも言える「凝縮した企画」が必要です。


YouTubeだからテキトウに!?

YouTube動画はいくらかラフな作り方でもOKという考え方もあるけれど、一流企業のCM動画ならば、YouTubeだからといい加減な作り方は許されません。TV-CMとなんら変わらない制作費が掛かります。放送、放映する媒体によって変るのは、媒体費(放送料、掲載料)だけです。企画が同じなら制作費は同じです。


予算に占める要素

CM映像・動画の場合、企画(絵コンテ)を考える時、予算にいちばん大きな影響を与える要素は

①撮影規模、日数、場所(旅費、交通費含む)

②有名出演者の出演費、契約料

③CGの品位、CGと実写との難易度、品位

④有名楽曲などの使用料、オジリナル楽曲の制作費

大まかに書き出すとこんな感じです。


企画の幅は予算の大きさできまる

50万円の予算で考えられるCM企画案と、3,000万円で考えられるCM企画案は大きく違うことはご理解いただけると思います。50万円の予算から有名タレントのギャラを出すのは不可能ですし、CGと実写を合成すると、安手の漫画のノリになってしまいます。3,000万円の予算があれば、地中海の青い空、青い海を背景にプロモデルを歩かせることもできます。


映像・動画の企画と制作予算・見積書①

撮影・日数・場所

シネマチックなプロ用撮影機材、完璧な照明を目指すならば撮影・照明関係費だけで1日、100万円を超えます。いっぽうバラエティ番組の取材のようなスタイルで撮ることができる企画だってあります。こうした場合は、照明、音声を入れても30万円でおつりが来るかも知れません。ただし、前者も後者も遠方でのロケで、前日入り、宿泊が伴うと拘束料として機材も人も2倍とか1.5倍になります。もちろん交通費、宿泊費、食費なども別途必要です。

もちろん、ロケーション、スタジオセット、それぞれに大きな経費が必要です。


有名出演者

タレントやアスリートのようなプロ出演者を起用する場合、撮影当日の拘束料としてのギャラに加えて放映期間、放映エリアに応じた契約料が必要になります。原則的に素人出演者の手配は制作会社側では行いません。万が一、その中に将来不祥事を起こす人がいても、責任がとれないからです。画面に背景に賑やかしに座っていたり、歩いているエキストラの手配はしますが、これはギャラと手配費、交通費、お弁当代などが必要になります。

衣装にこだわらなければ自前の洋服を持ってきてもらいますが、イメージを指定する場合は衣装レンタル費、作成費に加えて、スタイリストやメイクアップアーチストの費用が加わります。


CGや実写との合成

CGの品位、実写との合成の品位は予算に比例すると言って間違いありません。クロマキーという技術を使えば、実写の上にCGを載せることは簡単ですが、それを綺麗に違和感なく仕上げるには、様々な準備と技術、機材が必要なため、この部分の予算が全体の半分を占めることも、時にはあります。


著作権フリーなら格安

いまはネットに様々な楽曲販売サイトが公開されていて、相当品位の高い音楽が数千円からの予算でフリーで使えたりします。

ただし、CMの企画にドンピシャのイメージの曲が欲しければ作曲家やミュージシャンに依頼して、作曲、演奏、録音してもらうという方法があります。この場合、ランクによって数十万円から可能ですが、有名どころとなると数百万円以上になります。もちろん「タイアップ」という方法で、ミュージシャン側はヒットを狙い、双方WIN-WINの料金設定をする方法もありますが、これは放送回数や再生回数が相当の数字を見込めないと成立しない契約です。


媒体がYouTubeであっても、テレビあっても、画面の中に映っているもの、聞こえてくる音が同じであれば、制作費は同等です。

むしろTVは放送エリアによって出演者の契約料が上下しますが、YouTubeはUpしたら即、TV全国放送と同等の契約料です(原則)。

CMの企画と制作予算・見積書②

見積書は企画案が基になる

その企画案には、制作する上での様々な条件が定義されていなくてはなりません。つまり、それはもう絵コンテになっていないと無理な相談です。絵コンテまで作成する企画づくりというのは、短くても1週間、大掛かりな仕掛けの企画であれば、様々な裏付け調査、交渉も必要ですので1ヶ月以上が必要です。多くのプロダクションは、継続的に取引している関係でなければ、一見さんのお客さんにここまでの作業を無料ではやりません。


どうすりゃいいの?

企画の無い段階で競合見積をとるというのは、条件設定がばらばらの金額を見るということになります。ただし、少しご経験を積めば、いくつかの条件設定を提示して見積をとれば、各社の概ねの制作姿勢、予算に対する考え方は読み取れますので、まったく無駄というわけではありません。


お勧めは過去の実績から「決め打ち」

これがいちばん「お得な買い物」ではないかと思います。

ちょんとした仕事をしているという実績があって、作風も好みだ、プロデューサーも親切だ、と思ったら「この会社とCMをつくろう!」と決めましょう。もう信じるしかない!

企画の段階で予算を明かして、その予算の中で最大限どのような企画案が可能か、話し合いながら詰めていけばいいのです。蚤の市の交渉術で、先に金額を言っては駄目!という先入観があるかも知れませんが、こと映像制作会社は、熱意のあるお客様にはその倍の熱意で応えてしまう習性があることを、ぜひ覚えておいてください。

CMの企画と制作予算・見積書③

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