良くないものが混ざっています。どれでしょう?
①職人のこだわり
②料理人のこだわり
③クリエーターのこだわり
私の答えは ③です。
人々が職人に求めるのは、その人のいつもの匠の技。
人々が料理人に求めるのは、その人のいつもの美味しい料理。
こだわるというのはこうした「いつもとたがわないものを作る」というイメージではありませんか?
では、クライアントがクリエーターに求めるのはこだりでしょうか?
ひとつのキャラクター、ひとつの持ち味だけで食べていける人は別として(というかそういう人はアーチストですね)、職業クリエーターは、いつも斬新なものを、クライアントの目的に合わせてアイデアを練るわけで、その為には自分の頭の中にある拘りを捨てて、自由にならないといけません。また、クライアントの希望を無視して自分の拘りを押し付けるなんてあってはなりません。
「そこまでやる!?」というトコトンさ
クリエーターが拘っていいのは、「そこまでやる!?」というトコトンさ。
自分の趣味や好みで仕事を選ぶことは自由だけれど、引き受けた以上は、クライアントの意向を100%以上満たすために働くのが職業クリエーターの矜持というものです。
でも、実は職業クリエーターだって、心の中では拘りは持っているのです。「こういうタッチは嫌い」とか「そーいうのは好きじゃない」とか。
だから提案の中には、自分からそういう企画を入れることはありません。でも、流れの中で、これは入れなきゃならんよな、と思ったら拘りません。クライアントのためだから。
プロは自分のむしろ自由であること。
と思うのです。むしろ貪欲に新しいものを追求していると。
だから、冒頭の職人、調理人にしたって実は何が何でも譲れない「こだわり」なんて無いと思う、というか、こだわりよりも大切にしていることは、いつも自分の技術を客観的に捉えながら、貪欲に新しい技術を取り入れること、そうした「自由さ」なんじゃないかと。
拘っているとしたら、そうした、絶えず向上し続けようとする姿勢に拘っているのが、どんな職業であろうと「プロフェッショナル」なんだと僕は思うのです。
だからよくテレビ番組で「こだわりの・・・」というサブタイトルがついてると、その番組のディレクター(プロデューサー?)は、プロクリエーターじゃないんだな、と思っちゃうんです。
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