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ツバルロケの記録

地球温暖化の影響による海面上昇によって水没の危機にあるツバル・フナフチ島を取材した。

今回の作品は地球温暖化とエネルギーの問題を、アルピニスト野口健氏がその被害の最前線・ツバルを訪ねてリポートするという企画である。

野口氏は、ご存知の通り25歳で世界7大陸の最高峰を登頂するという壮挙を遂げ、最近ではシェルパ基金やエベレスト、富士山の清掃登山など自らの目で見て感じたことをすぐさま行動に移して、活動の輪を広げている男だ。番組「波乱万丈伝」でも伝えられた、彼の生い立ちや成長の物語は男の子がひとりの男になっていく様子をみているようで、長い睫とつぶらな瞳とあいまって、接する人を捉えて放さない魅力をもっている。

温暖化の影響といわれるヒマラヤの氷河の激減やアフガニスタンの干ばつを自身の目でみてきた彼に、ツバルはどのように映ったのであろうか・・・。収録はハイビジョンカメラを使用したため、機材の持込みや電源、メインテナンスなど、不安な要素を数多くかかえての旅立ちであったが、なんとか無事帰国できた。その顛末記を掲載していますのでツバルでのロケーションをお考えの皆さんは是非ご参考になさってください。

ツバルロケの記録
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ツバルへは直行便はなくフィジーで乗り換えです。

成田からエア・パシフィックでフィジーのナンディ空港まで約8時間で到着。ところがエア・フィジーが運行するツバル便はフィジー「ビチレブ島」の東側、首都のスバ近郊のナウソリ空港からの発着なので、車で約4時間をかけて再び移動です。もちろん航空機で国内線で移動する手段もあるのですが、現在週3便(月・木・土)しか飛んでいないエア・パシフィック便と月曜日と木曜日にしか飛ばないエア・フィジー便は同日には接続できないので、必ず最低1泊はしなければいけないのです。したがって時間は十分あるので、撮影機材のオーバーウェイト運賃もばかにならないため予算を節約して車をチャーターして移動しました。(今回のコーディネーター「ナベちゃん」は、優秀なので航空会社との交渉も上手くオーバーウェイトも最低限の経費に抑えてくれて感謝・感謝でしたよ。ちなみに月曜日の早い時間に韓国からナンディに到着するコリアン・エアーもあるようです。)

もちろんリゾートと知られるナンディ地区で時間をつぶして、ナウソリからの出発に合わせてスバ側に向かうという方法もありますが、撮影が始まる前に遊ぶという気分にはならないもので、僕らはまずはスバに入ってツバル便を待ちました。帰国時に分ったのですが意外と小さなエリアに限定されたナンディタウンに比べて、スバは首都だけあって、この国一番の繁華街のようです。インド系の住民が半分と言われるのが頷ける街の様子です。 

ツバルロケの記録
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ツバル・フナフチ空港。

飛行機がくるとき以外は島の人々の基幹道路、憩いの場所になっています。

飛行機はプロペラ機。30人程度で満席になってしまうので、予約がとれないこともしばしば。天候や航空機の調子によって欠航になることも多く、不確実性の高いことはスケジュールの限られた撮影の仕事ではなかなか不安です。臨時便もしばしば運行されますが情報はなかなか入らないようです。ところで、フナフチ環礁を空撮するには?フナフチ空港にはセスナやヘリコはありません。さて、どうしたでしょう・・・。


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滞在した同国唯一のホテル、国営「Vaiakuragi Hotel」です。

空港から歩いて1分。

いきなりの雨の洗礼に暗澹たる気分・・・。でも、雨季でも多くの場合30分ほどで晴れ間が覗きます。ただし全く晴れ間が無い日もたまにはあるようですから、安心はできません。また、なんと言っても時間を守るという概念に乏しく、労働意欲が日本人とはぜんぜん異なるこの国で香盤表通り撮影を進めることは、ハナから諦めたほうが良いです。


ツバルロケの記録

水しか出ない洗面とシャワー。当然浴槽はありません。

原則的に電話はありますが、スタッフの部屋のひとつは無かったらしい。国際電話もできました。でもかなり高い気がしました。(外線発信番号9-国際電話認識番号00-国番号81-○○―○○○―○○○○)

電圧は240V。コンセントはハの字ですが、洗面には髭剃り用に100Vの日本と同じ形状のコンセントがひとつだけありました。


クーラーもありました。(でもウルサイ。暑さと湿気で寝苦しいとクーラーをつけっぱなしで寝たスタッフは皆のどをやられてしまいましたから、要注意!)

天井の大型扇風機と同時に運転しておけば、大概の洗濯物は一日で乾きました。

エネルギー問題の仕事で来ながらこの浪費には心が痛みましたが、屋外に干したのでは雨季のこの時期、湿度のために永遠に乾くことが無さそうでした。

(ホテルのランドリーサービスはあります。でもどうやって洗っているのか少し不安。)


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窓の外はすぐ海で、夕日が左手に見えましたから北西を向いています、たぶん。

この食堂は、週末にはディスコに変身して島の社交場となります。12時すぎまでドンチャン騒ぎをしているので、うるさくて眠れません。

朝食は卵とパンとインスタントコーヒーかティーバッグ紅茶か缶ジュース。昼、夜は2種類のメニューからの選択でした。(期間中私が目にしたのは合計3種の料理しかありませんでした。)


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食事の単調さを避けるために僕らはホテルの近くの中国料理店(ジミーという中国人が経営している)を毎晩利用していました。

ただし食材に乏しいため、この店もメニューには限界があり、毎日違うメニューを食べたい僕らの無理難題に応えるのに四苦八苦していたようです。

フナフチ島(空港のある、現在のツバルのメインアイランド)には、あと2件レストラン(自称)があるそうですが、薦められませんでした。

この島の人が薦めないということは、それは僕らの想像をさらに超えたものであることは容易に想像できたので行きませんでした。

(ちなみにその2件も中国料理)

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のんびりとしたホテルの前の道

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通貨はオーストラリアドル。

コインはツバルドルも見かけました。(ちなみはフィジーはフィジードル)空港のすぐ隣に「銀行」がありそこで両替できますが、ちょっと高額になるとお金が準備してなくて両替してくれないらしいです。でも、そんなに両替しても使うところがありませんから心配は要りませんが。

飲料水や生活雑貨などは、これも空港のすぐ近くのスーパー?で購入できます。ちなみに500mlのミネラルウォーターが1$だったかな?

長期間日本を空けるので、心配なのはやはり別な仕事の進捗状況など。なんとこの島には一軒インターネットカフェ(といってもカフェはでない)があります。看板が出ていないので教えてもらわなければ絶対に分りません。これも空港のすぐ近くにあります。どうやらそこはインターネット関係の仕事をしている会社?らしく、そこに2台だけ外部の人間が使えるパソコンが置いてあり時間貸ししてくれます。料金は30分で2.5$(くらい)。日本語ソフトは入っていません。日本からノートPCを持っていけば接続できます。



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環礁の外側の海は荒い。一時はこの部分で島は分断された。

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2002.8.13の高波で洗われ荒廃した土地。バルのもうひとつの課題・廃棄物問題。

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島が削られて倒れたやしの木が散乱する。

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島には犬が多いが、皆傷だらけである。 その秘密は・・・。


ツバルロケの記録

地球温暖化と海面上昇による国土の消失、移住・・・。そんな図式で単純に紹介されることが多いツバルだが、温暖化問題の本質は別のところにあることが、この国を訪ねるとよく分るはずだ。

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小学生たちは休み時間になると、すぐさま輪になって歌いながらこのゲームを始める。ツバル式の椅子取りゲームのようなものだ。

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伝統的な踊りと歌。始まると終わらない。

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