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実は快く思っていない縦型動画

映像制作業で長く仕事してきた人の多くが、実は表題のように縦使いの映像を快く思っていません。テレビ番組ではニュースやバラエティの視聴者投稿動画が流れるたびに「横で撮れ!」と悪態をついている者も少なくないのです。


視覚的な違和感

一般的な映像は横長の画面比率で制作されています。縦長の縦型動画は画面の使い方が大幅に異なるため、視覚的なバランスが崩れてしまう印象があります。


再生・視聴環境の制限

縦型動画は縦向きのスマートフォンでの視聴を前提としているため、大画面のテレビやパソコンなどの横長の環境では最適な表示が難しくなります。


専門家の価値観

映像制作の専門家は長年培ってきた美的感覚や技術的なノウハウに基づき、横長の映像表現を「正しい」と考えがちです。縦型動画はその価値観から外れるものと捉えられる傾向にあります。


編集が面倒

既存の映像編集ソフトウェアは横長の前提で設計されているため、縦型動画を扱う場合はさまざまな設定を変更する手間が掛かります。(たいしたことはない)


つまり、映像制作の専門家にとって縦型動画は慣れ親しんだ映像表現とは大きく異なるため、違和感や不便さを感じやすいのが実情だと考えられます。では、実際に縦長にすることによって失われるのはどんなことでしょう。


1.広い視野の表現

横長の画面比率では広い空間や景色を効果的に表現できますが、縦型では上下方向の視野が狭くなるため被写体の配置や構図が限定されます。今主流の16:9のアスペクト比は、人間の視野に近いと言われて採用された比率だと言います。


2.迫力のある映像表現

大画面での視聴を想定した横長の動画は、臨場感や迫力のある映像表現が可能です。一方で縦型は小さな画面を前提としているため、大迫力の演出が難しくなります。


3.複数の被写体の同時表現

横長の画面では左右に複数の被写体を並べて表現できますが、縦型では上下方向の空間が限られるため、複雑な構図の演出が困難になります。


4.字幕や副題の配置

横長の動画では画面下部に字幕や副題を入れやすいですが、縦型では配置場所の選択が限られるため見栄えが悪くなる可能性があります。


5.既存の編集ワークフロー

映像制作では長年培われた標準的な横長の編集手順や技術が前提となっているため、縦型動画の制作・編集はこれらの慣例から逸脱することになります。


本当の本音「縦型動画は素人が好むもの」


縦型動画を普及させようと考える人が使う論理に「画面サイズが大きく没入感がある」というものがあります。この理屈は、スマホを縦にして持つ(視聴する)ことを固定観念としていますので、映像制作業が長い人間は「横にして持てば、そっちの方が視野が広いから没入感あるよ」と論破します。老眼が始まっていない世代はスマホは縦持ちが当たり前なんですけどね。

また「余分な背景を写すことなく撮影できる」。

これについては、背景が無い映像は創作性が限りなく0に近く、被写体を写しているだけなら誰でもできると論破します。

つまり映像業界が長い人間の多くは、縦型動画は素人が好むもの、というレッテルを貼っているのです。おまえはどうなんだって?さて。。。

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