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広告映像は破綻を嫌う

破綻とは

Googleで画像検索で「居間」を検索してみてください。

次に、どこかレンタルフォト のサイトで「リビング」で検索してみてください。

 

見比べると歴然

前者で検索された写真の半分くらいは、実際の家庭の雑然とした平凡な住宅の台所の写真でしょう。一方レンタルフォト サイトで検索された画像は、どれもそのままチラシやコマーシャルに使えそうな空間です。前者の検索でみつかった画像で広告は作れそうもありませんよね。リフォームのビフォー&アフターのビフォーとしてならば使えますが、素敵なライフスタイルを訴求するようなコマーシャルの映像にするには、余計なもの(破綻)が映りすぎていますし、そもそも写真の出来自体がよろしくない。

 

破綻は広告には異物

このことから、一般的に広告に使用できる画像は「破綻」がないことが条件であることがわかります。

でも、どうして破綻が無いのかという理由については、みなさん案外誤解しています。

「プロが撮ったから」というのは二番目の理由です。

一番の理由は「破綻が無い空間を撮ったから」です。

綺麗なものを撮れば綺麗

あなたも経験があるのではないでしょうか。

例えば、フレンチレストランで一流のシェフの料理をカメラに収めたら、とっても綺麗で「自分ってカメラのセンスがある?」なんて思ったこと。

海外のリゾートホテルのお部屋を撮ったら「なんて絵になるんだ!」と思ったこと。

もっと身近な(?)例で言えば、美人を撮ったら、どうやっても綺麗な写真になったこと。(背景が破綻しているときはだめですよ)

 これらの経験が物語るのは、決してあなたのカメラの腕がその時だけ上がったわけではなく、その被写体と、周辺の空間に破綻がなかったから、それを収めた画像が綺麗になったのです。

 

日常性は広告になじまない

Google画像検索「居間」で検索された日常的な居間の世界で「広告映像」は作ることができるでしょうか? 常識的にはそれはできません。もちろん、テーマが「日本の日常」というようなことならばあり得ますので、そういう話は除外してください。あくまで広告制作の一般論です。


テレビCMはどうしてお金が掛かるのか

さて、映像(動画)制作を立案して、企画を考え、我々のような制作業者にそのアイデアを相談すると、とてつもない予算を提示されることがあると思います。

それは、多くの場合、上記のような事情が関係しています。

つまり、あなたが描いた広告映像の世界を現実に映像にするには、その世界を実際にカメラの前に置かなければなりません。そして広告映像はワンカットワンカット、すべてが破綻の無い映像であることが原則です。さらには広告のテーマが、きちんと浮かび上がってくる映像の作り込みが必要です。

 

しかし、破綻のない景色というのは、実際にはそうそうあるものではありません。

あなたの目には破綻なく完成している景色に見える世界にも、広告や映像のプロからみると、余計なものがたくさん置かれています。

ですから、あなたが描いた世界が現実には無いものならば、美術セットなどで製作しなくてはなりませんし、ロケ(実際にある場所に行って撮影する)であれば、その場所から破綻する材料をすべて撤去するか、隠さなくてはなりません。だから予算がかさむわけです。

 

広告映像を撮影し制作するというのは、とても大掛かりなことなのだということをご理解いただければ幸いです。 

広告映像は破綻を嫌うということ
広告映像は破綻を嫌う

 

 


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