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Tomizo Jinno

昔ながらの会社案内ビデオを考える

10分以上あった会社案内ビデオ


今では一部の大企業がひっそりと制作するだけとなってしまった「昔ながらの会社案内」。

会社案内をビデオ化することが定番だった頃(1985年〜2005年頃?)、その内容はまさに会社案内パンフレットを映像化したもので、尺は短くて10分、長くなると20分にもなることが少なくありませんでした。当時の視聴環境にはインターネットは想定されておらず、視聴はもっぱらVHSテープないしは、会場を設定しての上映会。視聴者はいやでも視る義理がある人でしたので、視聴離脱者のことなどあまり想定していませんでした。ただし、そんな中でも制作者たちは視聴者を楽しませ、飽きさせない工夫しながらクライアントのメッセージを届けていました。


盛りだくさんのコンテンツ


当時よくあった会社案内ビデオのコンテンツ(構成)を振り返ってみます。想定したのは世界にも進出している社員数万人規模の製造業会社です。会社案内という総花的な内容ではあっても、必ずテーマを設けることは常識でした。尺は10分。


昔ながらの会社案内ビデオを考える
昔ながらの会社案内ビデオを考える

①歴史と革新の軌跡

  • 会社設立の経緯と創業者の理念(30秒)

  • 年代順に主要な製品開発や技術革新をハイライト(2分)

  • 国内外での事業拡大の歴史(1分30秒)

  • 現在の主力製品や事業領域の紹介(2分)

  • 最新の研究開発施設と取り組みの紹介(1分30秒)

  • 未来へのビジョンと持続可能な社会への貢献(1分30秒)

  • 社員インタビュー:長年勤務している社員の声(1分)


この構成では、会社の長い歴史と継続的な革新を強調します。創業から現在まで、そして未来へと続く会社の歩みを時系列で紹介することで、安定性と進取の精神の両立を印象づけます。技術の進化と共に成長してきた会社の姿を示すことで、視聴者に信頼感と期待感を与えます。


会社案内

②グローバルネットワークと地域貢献

  • 日本地図上で全国の拠点を紹介(1分)

  • 主要な国内拠点のハイライト(工場、研究所等)(2分)

  • 世界地図で海外拠点を表示(30秒)

  • 主要な海外拠点の紹介とローカライズの取り組み(2分)

  • 各地域での社会貢献活動やCSR活動の紹介(2分)

  • グローバルと地域の両面で活躍する社員インタビュー(1分30秒)

  • 今後のグローバル戦略と地域密着の方針(1分)


この案では、会社の広範なネットワークと各地域での存在感を示します。国内外の拠点を視覚的に示すことで、会社の規模と影響力を印象づけます。同時に、各地域でのきめ細かな活動を紹介することで、大企業でありながら地域に根ざした企業であることを強調します。


会社案内

③製品ラインナップと技術力のショーケース

  • 主力製品カテゴリーの概要(1分)

  • 各カテゴリーの代表製品をクローズアップ(3分)

  • 製品開発プロセスの紹介(1分30秒)

  • 品質管理システムと生産技術の紹介(1分30秒)

  • 独自技術や特許の紹介(1分)

  • 顧客の声:製品使用の実例と評価(1分)

  • 未来の製品コンセプトや新技術の予告(1分)


この構成では、会社の製品と技術力に焦点を当てます。多岐にわたる製品ラインナップを紹介することで、事業の多様性と安定性を示します。同時に、開発から生産までの一貫したプロセスや独自技術を紹介することで、高い技術力と品質へのこだわりを印象づけます。


会社案内

④人材育成と企業文化

  • 人材育成の基本方針(30秒)

  • 新入社員研修プログラムの紹介(1分)

  • キャリア開発支援制度の説明(1分)

  • グローバル人材育成の取り組み(1分30秒)

  • ダイバーシティ&インクルージョンの推進(1分)

  • 働き方改革や福利厚生の紹介(1分30秒)

  • 様々な部署の社員インタビュー(2分30秒)

  • 経営陣からのメッセージ(1分)


この案では、会社の最大の資産である人材に焦点を当てます。充実した人材育成制度や働きやすい環境を紹介することで、社員を大切にする企業文化を強調します。多様な社員の声を紹介することで、活気ある職場の雰囲気を伝えます。


会社案内

⑤イノベーションと社会貢献

  • 会社の企業理念とミッション(30秒)

  • 過去の革新的な製品や技術の紹介(1分30秒)

  • 現在進行中の主要な研究開発プロジェクト(2分)

  • オープンイノベーションや産学協同の取り組み(1分)

  • 環境保護や省エネルギーへの取り組み(1分30秒)

  • SDGsへの貢献や社会課題解決への挑戦(2分)

  • イノベーターや若手研究者のインタビュー(1分30秒)


この構成では、会社のイノベーション精神と社会貢献の姿勢を強調します。過去から現在、そして未来へと続くイノベーションの流れを示すことで、常に進化し続ける企業イメージを印象づけます。同時に、様々な社会課題への取り組みを紹介することで、企業の社会的責任を果たす姿勢を示します。


時代を反映


1、2、3、4、5の順で今っぽい内容になりました。

視聴環境がインターネットを通じたものにシフトが進むに連れて、映像の尺は短くなり、テーマや対象もよりセグメントしたものになってきたことはご承知のとおりです。


「会社案内を映像で」とうリクエストは今でもたいへん多いテーマですが、上記をご覧いただくとわかるとおり、一般的な会社案内情報は多項目にわたるものですので、「30秒で」「3分で」とお考えの場合は、情報項目をひとつに絞ることをお勧めします。

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