スチールカメラ
映像業界では写真を撮るカメラのことをこう呼びますが、スチールとはSTEELではなくSTILLのこと。ようは静止画です。それはさておき。
最近ボケ味の写真をよく目にする
背景と撮りたい対象の距離に差がある、つまり距離が離れている被写体を「絞りを開いて」撮ると、背景はボケているが対象はハッキリ写り、ある種の雰囲気のある写真が撮れる。
昔は上等な一眼レフカメラでしかできなかったけれど、最近ではアイフォンでも背景をぼかすという機能があり、素人でもボケ味写真が撮れるようになった。
今はスチールカメラでもムービー(動画)撮れるので、動画の世界にもボケ味の映像が増えてきた。
狙って撮るスチールカメラ
被写体の距離に合わせてレンズを交換できるので、単焦点レンズを用いて簡単にボケ味が撮れる、がビデオカメラは、多くの場合、機動的なくてはならない。
「動画」は1枚の画ではなく、時間を持った連続した画なので、いちいちレンズを交換せず、レンズを向けた先の、それぞれ距離が異なる対象も、可変的にフォーカスリングを「さっと」調整して撮りたい。単焦点レンズで狙う場合と違い、ボケ味を撮るには条件が厳しくなる。
ビデオ映像はベタッとしていてダサい!?
焦点を絞って被写体が浮き出た一枚の写真に比べると、昔ながらの?ビデオカメラで撮った動画の画像は平板に感じるかもしれない。
とくにスチールのカメラマンからすれば、ビデオの映像はどこかのっぺりしているように見えるのだろう。最近はスチールカメラで撮ったムービーを見る機会が増えてきたので、一般の人でも、動画も写真のように撮れているものを綺麗と感じる人が多いようだ。
フィルム映画のような風情が心地よいのかもしれない。
写真は紙焼き
ビデオはヴラウン管だった時代と異なり、スチールもムービーも、同じ液晶画面で見るようになったことも影響しているに違いない。
「プロみたい!」
写真を撮り始めた人がボケ味を好んで使いがちなのは、対象が際立ち「お!プロみたい」と感じるからかも知れない。
ボケ味写真は構図がシンプル
その上ボケ味の映像は際立たせる対象だけ意識すればいいので、意外に構図が取りやすいという利点があることも、実は大きな理由ではないかと僕は思っている。
「ビデオカメラ」は連続的構図構想力を要する
連続した画像を撮影するムービーカメラは、画面の中に焦点が合った対象が多く、そのすべてを考慮して構図を考えなくてはならないし、パンニングやズーミングの途中の構図も考慮しなくてはならない。
色や形のバランス・構図は映像のクォリティを大きく左右する。
そのあたりをイージーに飛び越えられるボケ味が蔓延するわけだ。
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