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映像制作の成否を分けるコミュニケーション

お客さんから映像をつくる仕事を請け負うと、必ず必要なスキル(←この言葉好きじゃないけど)が“コミュニケーション”です。

「お客様社内と窓口の担当者」、「担当者と私(プロデューサー)」、「私とスタッフ」。

これらの間をどれだけ齟齬なくコミュニケーションできるかが、お客さんが納得いく映像作品を納品する鍵になります。このコミュニケーションを失敗するとお客様満足度が下がるだけでなく、ひどい場合は納品できないということが起こります。


コミュニケーションの齟齬で信頼崩壊

私もこの道30うん年。駆け出しの頃はどうしてもお客さんが納得せず、案件が膠着してしまうなんてことも経験しました。その頃の膠着原因は、お客さんの求めているイメージと制作サイドのイメージが初めからずれていることに気づきながら、それに目を瞑ったまま工程を進めてしまうという、今なら絶対にやらないような怠慢が理由でした。


イメージのズレ

職業映像制作者が最も気にする点です。撮影や編集のスタッフと私とのズレは、隙間を感じたら、その都度ジリジリと合わせていけば良いのですが、私とお客さんとのズレは、隙間を感じたらその時点で完全に擦り合わせをしないと、その溝はどんどん大きくなるばかりです。お客さんの信頼とは、私に対する全幅の信頼であって、少しでも不安要素があれば信頼は加速度的に崩れていくものです。


クライアントは、私たちプロフェッショナルに対して、単なる技術的なスキルだけでなく、作品のコンセプトや表現に対する深い理解力、そして何より、自分たちの意図を的確に捉え、それを形にすることができるという「感性」を期待しています。この「感性」の部分でズレが生じると、クライアントは「この人に自分の作品を託せるのか」という根源的な疑問を抱き、信頼関係が一気に崩壊してしまいます。


信頼=感性×技術×人格

この中で最も回復不能な不信が「感性」です。一般的に人格は目を瞑ればやり過ごせるし、技術は他の誰かで代替可能だと考えますが、この感性だけは「?」が点いたら最後、もうその人のことを信頼できず「坊主憎くけりゃ袈裟まで憎い」となります。言ってみればそれは「好き嫌い」の問題になってしまうからです。


意味が広い「クォリティ」という言葉

クリエイティブプロダクトの出来不出来を、巷ではクォリティという言葉で批評することが多いと思います。しかし、この言葉、何を指してクォリティと言っているのでしょう。例えば絵画であれば、精緻な筆使いでしょうか、破綻がない構図でしょうか?映像であれば、解像度が高くてクリアな画質のことでしょうか、はたまた巧みなシナリオでしょうか? 

実際のところは、作品を見た全体的な感想としての印象を漠然と「クォリティが低い」とか「高い」と言っているのではないでしょうか。言い換えると「具体的にどこがどうと言えないけれど感覚的に・・・」ということでしょうか。


「クォリティが低い」と言われたら

映像プロデューサーがお客さんにこれを言われたら、つまり「あなたのことは嫌い」と同じです。その思いを覆すのは難しいことです。どこがどうNGということではなく、なんとなく「あなたはダメ」ですから救いようがありません。

同業者のみなさん、あなたならこういう時どう対処していますか?

映像制作の成否を分けるコミュニケーション
映像制作の成否を分けるコミュニケーション

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