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映像制作は考えることから始まる

考える前に動く

世の中には、ものごとをよく考えずに進める人がしばしば居ます。 しかし、社会はそういう人もいるからこそ前進する面がありますから、僕は一概にイケナイことだと思っていません。 ただ、ことBtoB映像(いわゆるVP)を制作する人間は、「よく考える」ことが好きな人間に向いています。

 

映像は英語でIMAGE

日本語英語での「イメージ」は、それこそ雰囲気とか印象とか、とてもふわ~っとしたイメージという意味だから、「映像」もとっても雰囲気的なもの、表面的、見た目だけ、みたいな理解、先入観があるのではないでしょうか。

だから、それを制作する時も、ふわふわーっと作るんじゃないんですか?!って思ってないですか?

 

ふわふわしたものをふわふわ作っている?

違うんです。

BtoBの企業映像を制作している僕らは、ふわふわしたものをふわふわ作っているんじゃなくて、形や色を持った具体的な画像をコツコツ地味に作っています。画面の中のものは、目に見える形や色を持っていなくてはなりませんので、どんなに抽象的なことを伝えようとも、その画像はあくまで「具体」です。

 

はじまりはTEXTでも

どんな広告制作でもビジネスとしての創作は、最初は「イメージ」は言葉(TEXT)で表現されますが、それを目に見える形や色(IMAGE)に変換する作業は、どこかで誰かがやらなくては、いつまでたっても映像は目に見えるものにはなりません。いつまでも雰囲気や(日本語意味での)イメージを語り合っていたところで、誰かが具体的な絵を描かなければ始まりません。

 

誰が絵を描くのか

ひとつの映像制作案件が立ち上がると、クライアント(上司-担当者)、代理店(営業担当-制作担当)、制作会社(プロデューサー-シナリオライター-ディレクター)というような、仕事の流れが生まれます。

さて、このうち誰が「絵を描く」と仕事はスムーズに進むでしょうか。

 

絵を描くと条件も決まる

イメージ(TEXT)をイメージ(画像)に置き換える「絵を描く」という作業は同時に、映像を実際に作成する技術的、経済的、時間的な条件を設定する作業でもあります。これにより予算と品質と納期が定義されます。この条件定義は、映像制作の技術や費用に詳しくなくてはできません。それを映像化するには高度な技術と予算が必要なのに、予算が無い、制作期間が短い・・・では困ります。

 

クライアントはわがままでいい

お客さん(クライアント)であれば、「こんなイメージの映像が欲しい」と、それだけでOKです。

お客さんなんですから、これで立派なオーダーです。

僕らは、ふわーっとしたイメージを、形(映像)にするために、企画の立案から始まって、フルコースの提案活動、コミュニケーション工程を踏みながら制作していきます。ちょっとだけお代金がお高くなりますが、これが一番賢く順当なプロダクションの使い方です。

 

つまり、映像制作会社のプロデューサーかプランナー・シナリオライターが「絵を描く」を担当するのが、コストパフォーマンスがいちばん有利になると思います。(ディレクターでもいいですが、プロジェクトの早期から現場の人間を投入するのは、プロダクション経営上効率的ではありません。)プロダクションに、あなたの希望ご予算・納期内に、より品位が高い(意向に近い)映像を制作させるなら、これです。

 

先に絵が描かれた企画

逆に、すでにクライアントや代理店内で絵が描かれていて、僕らに投げかけられる案件は、映像の定義が決まっていますので、結局「おたくなら幾らでいつまでに作れますか?」という問いかけになります。とどのつまり見積競合へのお誘いです。

 そのお誘い文句の中の映像の条件設定に無理があれば「これはできません」と言うしかありません。請け負うということは「できる」と保証することになると思います。少なくともクライアント、代理店はそう解釈します。

 ご注意いただきたいのは、本当は「これ変だな」とか、「これ無理があるだろ?」と思っても「クライアント(代理店)が言うのだから構わないだろう」と請け負うプロダクションが多いことです。さらには、企画を読んでも、その問題点に気づかないプロダクションも沢山あることです。

 

考え好き、想像好きにお任せください

イメージ(雰囲気や印象)を本当のイメージ(画像)に置き換える作業は、たいへん面倒な作業です。平面(2次元)に書かれた文字を3次元+時間軸の画像(映像)にするのですから、撮影可能なのか?作画可能なのか?絵のつながりから生まれる意味や整合性、映像トーンの一貫性などは問題ないか?、など頭の中でものすごい量の演算、シミュレーションを繰り返します。考えること(思索する、想像する、創作する・・・)が好きな人間でないとやってられません。

ちょっと言葉が激しいですが、考えることが苦手な人がこれをやるのは、やめたほうがいいです。特に企業VPはCMと違って長いですから、真剣にやると、本当に面倒臭いです。必ず途中で投げ出したくなります。そういう方が中途半端に創作した企画を引き継いだ人間は、合わない辻褄をムリムリ調整することになりますから、正直言うと僕ら困っちゃうのです。

 

例えば、カタチにしたいイメージというのが抽象的な概念だったり、ものすごく複雑なロジックを持っているものだと、映像の時間をたくさん喰うことになります。ようは、難しいことを説明するにはたくさん時間(尺)が必要になります。

こうした難しい「絵を描く」と、映像の尺が長くなるばかりでなく、創作に大量の情報や時間が必要になり、予算が膨らみ、いずれもクライアントの与件にはまらないことになります。

こうしたことにも気を使いながら、映像(VP)の「絵を描く」という作業は進めなくてはなりません。テレビ CMや短尺(1分以内程度)のWEB動画以外の「絵を描く」仕事は、考えることが好きな僕らにお任せいただいた方が得策です。

映像職人 / よく考える人・考えない人

 

 


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