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映像制作プロセスにおける「絵コンテ」の弊害

企業活動における映像制作

映像を企業活動に利用しようとすると、その企業内の部署で立案し、上へ上へと稟議を通して決裁され、制作が決定します。立案担当者としては、制作途上で企画が頓挫することが非常に心配です。映像制作案件において、こうした場面で登場するのが「絵コンテ」です。さらに他社を含めてネット上に上がっている事例が、イメージサンプルとして添付されたります。


「絵コンテ」通りつくれば安心

絵コンテにサンプル(事例)を加えられると、たしかに提示された上司や他部署の人は具体的なイメージが掴めますので、それを基に「いい」「わるい」を判断しやすいでしょう。こういうカタチで決済が進められた企画案を受け取った制作者は、その通りにつくる義務を負わされます。それはある意味では安心して制作が進められる材料ではあります。「この通りにつくりましたが、なにか?」と言えるからです。


「絵コンテ」に縛られる

しかし、より良い(映像の品位と高い効果)映像を制作したいと考えるならば、こうした方法は両刃の剣です。絵コンテ通り制作できれば、たしかに及第点です。でもオリジナリティとサプライズという面では面白味がなく、「このとおりつくったのに」決して100点満点とは言ってもらえません。まして120点は無理です。


撮影、編集工程でサプライズは起こる

撮影していたら、「わっ、これいいじゃん」とか、編集していて、「これもいいね!」ということがよくあります。でも、絵コンテに違うのでそれは採用できません。いえ、「絵コンテどおりつくればいい」という現場では、そういうサプライズが起こる可能性も低くなります。どうせだれも褒めてくれないからです。


「おもしろがる」

企業側も制作者側も、楽しく、仕事をおもしろがる環境が、視聴者に強くプッシュする映像ができあがる可能性を高めます。

絵コンテは「参考程度のものです」というわけにはいかないですよね・・・。

映像制作プロセスにおける「絵コンテ」の弊害
映像制作プロセスにおける「絵コンテ」の弊害

一般的な絵コンテの役割をおさらにしていおきます。


映像制作における「絵コンテ」は、いわば映像の設計図です。完成した映像を事前に可視化し、制作チーム全員が同じイメージを共有するための重要なツールです。


絵コンテの主な役割

  • 映像の全体像を把握する:

    • 各シーンの構成やカメラワーク、登場人物の動きなどを視覚的に表現することで、映像全体のストーリーの流れを把握しやすくなります。

    • 撮影前段階で、必要な小道具やセット、撮影時間などを具体的に把握し、準備を進めることができます。

  • 制作チーム間の意思疎通を円滑にする:

    • 監督、カメラマン、照明技師、俳優など、様々な職種のスタッフが携わる映像制作において、絵コンテは共通の認識を持つための基盤となります。

    • 細かい部分まで共有することで、誤解を招くことなく、効率的に制作を進めることができます。

  • クライアントへの説明を分かりやすくする:

    • 具体的な映像のイメージをクライアントに伝えることで、イメージのすり合わせをスムーズに行い、最終的な完成度を高めることができます。

  • 撮影現場での判断材料となる:

    • 撮影現場では、想定外の状況が発生することもあります。絵コンテを参考にしながら、臨機応変に対応することができます。


絵コンテに含まれる情報

  • 画面構成: 各シーンの構図、カメラアングル、キャラクターの配置など

  • 動き: キャラクターの動き、カメラの動き、オブジェクトの動きなど

  • セリフ: キャラクターのセリフ、ナレーションなど

  • 効果音: 効果音の種類、タイミングなど

  • 時間: 各シーンの長さ、全体の尺など


絵コンテを作成するメリット

  • 映像の質向上: 事前に映像のイメージを共有することで、完成度の高い映像を作成することができます。

  • コスト削減: 事前の準備が徹底されるため、撮影時の無駄な時間や費用を削減することができます。

  • スケジュール管理: 各シーンの撮影時間を把握することで、スケジュール管理を効率的に行うことができます。



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