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映像制作工程とコミュニケーション

始まりは1本のメールや電話

お客様のビジネスの展開上、映像ソフトを制作する必要性、ないしは映像ソフトを使用するアイデアが持ち上がった段階で接触をいただきます。

弊社は広告代理店ではありませんので、需要のないところにこちらから営業をかけることはあまりありません。つまり映像を必要とするそのプロジェクトへの投資金額や目的、制約などの条件はお客様企業内で概ね出揃っていますので、我々はまずその要件をヒアリングし、お客様が描いている映像のイメージを掴んだ上で、ご用意されているご予算や条件でそれが実現できるかどうかを短時間で判断します。


プロデューサーはその場で判断する

様々な制約や条件はあるものの、やり方によっては制作可能、あるいは無条件で制作可能と考えた場合にはすぐさま、お客様が要望される提案書類を作成、提出します。

無償の範囲内で提出できるのは、煩雑な調査や下見を要しない①見積書(概算)と、想定できる②スケジュール案、そして非常に簡単な③仕様書ないしは構成案です。

 

構成案については時間を要するレベルのものや、調査や下見を要するものは、プレゼン費用をいただく場合があります。

見積書・スケジュール案・仕様書(ごく簡単な構成案)、これら3点セットをお客様にご覧いただき、内容の妥当性やご予算との整合性、競合他社との比較によって発注いただくかどうか判断いただきます。

(平均的によくある流れを書いています。すべてがこの流れではありません。)

 

発注!

ご発注いただくと決めていただいた場合は、正式なヒアリングや下見、調査に伺い、構成案やシナリオ作成に移ります。ここでよくあるのが、シナリオを提案してもらってから発注を判断したい、あるいは他社の提案するシナリオと比較して発注先を決めたい、というご要望ですが、弊社ではシナリオの制作には相当の時間と労力を掛けますので、こうした企画コンペはプレゼン費用を頂戴しています。ただし長年の顧客様や別プロジェクトとの兼ね合いがある場合、お引き受けすることもあります。


シナリオ案ができました

その提案と同時に、そのシナリオに基づいた見積書を提出します。ただし、ご予算の幅はあらかじめお聞きしていますので、それを超えない範囲でシナリオを書きますが、場合によってはお客様のご要望を全て入れた場合には、ご予算を超えてしまう場合もありますので、ご予算の範囲内というシナリオ案と要件を全て満たしたシナリオ案の2タイプを提案することもあります。また、ご予算を予め固定して示していただく場合は、その範囲内でできるだけそれ以上の価値を含めたシナリオ案をご提案するよう心がけています。

 

シナリオは設計図・仕様書

シナリオは、建築でいうところの設計図ですので、ここでのコミュニケーションは細心かつ深い情報共有とご理解をいただけるよう配慮することが、プロデューサーの大きな役割です。

シナリオ(設計図・仕様書)が承認されるのと同時にご予算の交渉も妥結すると、本格的な制作工程に入ります。

もしここで妥結に至らないと、映像制作会社はシナリオ制作にかけたコストが回収できなくなりますので、確実に仕事にする能力、それがプロデューサーに必要な基本資質です。

映像制作工程とコミュニケーション
制作工程とお客様とのコミュニケーション

 煙のないところに仕事もつくります

先回はシナリオ第1稿と見積書によって正式受注ができたところまで書きました。少し補足すると、仕事のないところに営業活動はしない、と書きましたが、もちろん「映像を使ってなにかやりたいのだが・・・」というお問い合わせには、精一杯対応させていただいています。


稿を重ねるシナリオ工程

さて、めでたく制作工程に入ると、第1稿として提案したシナリオも、お客様とのコミュニケーションを深めたり、実地踏査をしていく過程、あるいはお客様の社内で他部署の方から要望が入ったりして、どんどん改稿を進めることになります。第2稿を提案してご意見をいただき、第3稿を提案して様々なチェックを受け、第4稿で字句の間違いがないかなど、お客様と綿密にコミュニケーションをとりながら作業をします。

 

スタッフのキャスティングと提案、紹介

撮影前シナリオの完成稿を作り上げていくのと並行して、お客様に対してディレクターやカメラマンの紹介、出演者やナレータなどの候補の提案、オーディションなどを行い、シナリオに沿った撮影場所のロケーションハンティングや、照明や特殊機材の設置などのための下見も撮影までに済ませ、万全の体制で撮影に臨みます。

 

撮影以外の映像部分

なお、映像にコンピュータグラフィックやアニメーションが必要になる場合は、これも撮影準備と並行してデザインのテイスト、クリエーターの提案、原稿やスケッチをお見せしながら、製作内容をつめていきます。

 

さて、いよいよ撮影です

となると、営業担当、プロデューサーはかなりホッとします。

撮影に入ることができた時点で、映像制作の6,7割くらいの作業は終えたようなものだからです。

世に職業はいろいろあるけれど、はじめに形がないものを、互いのイメージを擦り合わせながら、間違い無くお客様が意図したものをつくりあげるというマネージメントは、かなり難しい仕事のひとつだと思います。ここまでの作業はとくに神経をすり減らします。

 

できたも同然!?

映像の設計図を描き、資材、人材の準備、打ち合わせを終えたら、あとは信頼するスタッフが確実にいつも(以上の)仕事をしてくれれば、映像はもうできたも同然!?

と言いたいのですが、そうは簡単にいかないのが、この仕事なんですね・・・


撮影はお客様の立ち会いで

さて、B2Bの映像制作においては、撮影を行う時は原則的にお客様には必ずお立ち会いいただきます。長くお取引きいただいているお客様で、相互に信頼関係が確立している場合には、「お任せ」で撮影することはありますが、そのことによって起こり得るリスクについて共同責任をとることを了解いただいている場合に限られます。

 

撮影は大イベント

つまり、「撮影」という工程は映像制作プロセスの中でも最も重要かつコストが掛かる工程のひとつであり、しかもお客様にとっても、会社内における人的、物的、金銭的なリソースを、この時のために集めていることが多いため、撮影当日「今日は無理だね」とか、撮影後「あー、これ違ってた!」などという手戻りは、絶対に避けなければならない不祥事であり、そのためお客様には原則的に1カット1カット承認をいただきながら収録することが原則なのです。

 

とは言うものの

・・・とまあ、原則なんですが、スタジオでも無い限り、モニターをリアルタイムで見られるようにすることもけっこう大変なことですので、現実的にはカメラの目の前で起こっている事象について、瑕疵や錯誤、問題点がないかどうかを見ていていただき、まずそうな場合にご指摘いただく、というやり方が殆どです。実際にメディアに収録されている映像の可否については、それこそ信頼いただいていることが前提にならないと、撮影は進みません。

 

できたも同然の気分はプロデューサーだけ

前章で「撮影までいけば、できたも同然!?」と書きましたが、それはプロデューサーにとっては、という話であり、同時に全幅の信頼が置けるディレクター、カメラマン、照明マン、録音さん、タレント、美術さん、etc… といったスタッフをキャスティングしてこその話であります。

予算がなく、ここに駆け出しのスタッフを起用している場合は、まったく気が抜けない、神経をすり減らすのが、撮影という工程ではあります。

 


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