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空気を読む映像プロデューサー

今年最後の三連休


Go Toトラベル、Go Toイート、ともに絶好調の利用者数で、旅館ホテルや飲食店では「ホッとひと息」ならぬ、フル操業のところもあったようです。かといって、緊急事態宣言から始まった自粛経済の痛手を挽回するには、フル操業+αの状態が半年以上続かないことには、そう簡単に傷口は塞がらないことは明らかです。



「我慢の三連休」


連休直前に新型コロナウイルス感染症対策専門家会議、さらに各地の医師会長がメディアを通じて、それこそ口角泡飛ばしながら移動の抑制、つまりはGo Toトラベルの見直しを迫りました。ところが、全国各地の観光地、観光都市への行楽は「賑わい」を見せ、メディアの論調の多くは国民、市民のより一層の「自粛」を求めるものでした。



空気を作り上げようとするマスメディア


テレビニュースも新聞記事もネットメディアも、専門家会議のメンバーや代表、東京をはじめとした各地の医師会会長、コロナ患者を受け入れている病院長などを画面に出し、「医療崩壊が近い」と訴え、その言葉にスタジオのキャスターも煽るように視聴者に危機を訴えます。



空気に同調を迫られる国民


視聴者は「持病で病院に来ても、あなたを診ることはできないかもよ」と言われれば、同意しない訳にはいきません。ドクターというのは、一般社会でも総じてステータスが高く、経済的にも恵まれています。どこか、立場の強い人たちが、弱者を脅しているように聞こえるのはぼくだけでしょうか。でも、こうした偉い人が正論として話す言葉に対抗すると、「バカ」扱いされるのがオチです。



映像屋としてひとつだけ書きたい


それは「メディアは意図的にバイアスが掛かったオピニオンを利用している」ことです。

医療崩壊を訴えている人たちは皆、医療や保健業で食べている人たちです。

更なる自粛を決めるのは、政治で食べている人たちです。

インタビューに対して「仕方ないですね」と答えるのは、それでも食べていける人たちです。



立場(境遇)によって異なる「世間の空気」


興味深いというか、思わずうなずきたくなるコラムをみつけました。

「緊急事態宣言中はみな共通したコロナ観があり、外出も買い物も不自由ながら機会は平等でした。しかし解除後、さらにGo To キャンペーンが始まってから、環境格差はますます大きくなっています。・・・」

環境の格差としては、

・勤務状況の違い:リモート勤務・出社・エッセンシャルワーカ―か否か

・勤務先の意識:会食禁止などの制限の有無

・家族構成:家族と同居・一人暮らし・既婚・未婚

・家族状況:高齢者や病気の家族の有無

・経済状況:コロナで受けた打撃の差

・住んでいる地域:感染拡大が深刻な地域か否か

ドクター



日本人の性向を知っている政策


緊急事態宣言の余韻が覚めやらぬ夏前。このGo Toトラベルの記事を目にした時には目を疑ったけれど、いま自分自身もGo To トラベルを使って小さな旅行に行ってみると、(感染回避対策をしたうえで)市民レベルでの経済活動の再開が、ビジネスも含めた日本経済全体の再始動に欠かせないことに気づきます。どんな大きなビジネスでも、それを動かしているのはひとり、一人の「働き」ですので、人が「さあ、またしっかり働くか」と思うためには、日常生活も普通の状態に戻さないと、なかなか気合が入らないものです。



ブレーキを踏みながらアクセルを踏む


僕は実際に、左足でブレーキを踏みながら右足でアクセルを踏むという、一見矛盾した操作をしますが、ブレーキあるいはアクセル単体での操作よりも、きめ細かでありながら、いざという時には力強い加速ができます。Go Toトラベルで国民に「旅行をする」という感覚を維持してもらっているうちに、新型コロナを抑え込むことができたら、旅行需要も急回復できるという目算なのだと思います。



2025年


新型コロナウィルスは世界経済に大きな影響を与えていますが、ワクチンが来年から接種可能になったとしても、世界経済への影響は2025年頃まで続くという見方があります。こうした長期化の予想はなんとなくそうなのかも、と思うものの、人間の物忘れの良さは世界共通のような気がして、案外来年の夏頃には「そんなこともありましたね」になるかも、という想像もしてしまいます。



仕事も巣篭もり癖


今はまだ多くの働き手が、コロナ以前のパフォーマンスで仕事をしているとは思えません。今後はGo Toトラベル、Go ToイートなどのBtoC経済だけでなく、BtoBビジネスまで拡げた経済政策を期待して止みません。個人も会社も、経済的・将来的な不安がなければ、あっという間に巣篭もり癖から脱して、お出かけ癖が出てくるに違いありません。


Go To映像制作


いまどきな言い方ならば「Go To動画制作」。

そんな政策どうでしょうか。

老夫婦


巣篭もり需要とは何なのか


外出を控え、テレワークで自宅に籠る。外食や旅行をせずに大人しくしている。

その代償として、少しでも家での時間を楽しくしたいと考えるのは、誰でも同じですが、抑圧される活動、行動によってどれほどのストレスを感じるかは、人ぞれぞれです。代償が欲しいほど我慢を強いられていると感じない人もいれば、ほんの少しの我慢も我慢ならんという人もいます。いわゆる「巣篭もり需要」は、後者である「我慢ならんことに対する代償」として生まれるのではないか、我慢できる人はあまり需要を起こさないという見立てです。



巣篭もり需要が斬減傾向に


お出かけしないようになった人に替わって、「中食」で巣篭もり需要があったテイクアウト食系のお店が、ここにきて売上に陰りがでてきたそうです。以前までの売り上げを支えていた常連層の半分は来店しなくなったけれど、これまで来店しなかった新たな客=巣篭もり需要客(どうしても食べたい!というグルメ客)が売り上げを補填したお店です。それが、巣篭もり需要が減り始め、ここにきてコロナの影響に苦しみ始めているのです。



どうしても食べたい人は出かける


美味しいものを食べられなければ、テイクアウトを買いに行ってでも食べたい。そこまで考える消費者は、GoToキャンペーンやGo Toイートなどの施策もあって、もうお出かけを躊躇ったりしないのでしょう。つまり巣篭もり需要を支えていた消費者は、もう巣篭もりしていないのです。


映像制作業の巣篭もり需要

それは「セミナーのライブストリーミング」とか「授業の配信」などです。これらはいま映像技術系のプロダクションでは「こればっか」です。いまだに続いている、というより、定着傾向という人もいます。

ただし、僕はこの傾向はやがて終わる、と見ています。

その理由は、また今度。

オペラ


新規制作は再開したが


テレビ番組やテレビCMも新規制作が始まり、以前と変わりない制作方法のものも、三蜜回避を逆手にとった企画ものも放送されています。テレビドラマの中には、今の社会をそのまま画面に生かして、出演者がマスクをしていたり、体温測定をしているシーンさえも取り入れているドラマ番組もあります。CMについては、タレントがリアルにスタジオ撮影やロケ撮影するものよりも、やはりアニメやイラストを使用したものが、いまだに多いようです。



どこか殺風景な映像


俳優やタレントも、デズッパリの売れっ子以外は長期に休んでいた人も多く、久々に画面に登場した様子を見ると、どこか「素」な感じで垢抜けなかったり、体型が変わっていたり、シワが増えたりしているようです。そして決定的なことは、ドラマのセットまで三蜜回避の影響があるとしか思えないような、間の悪い空間が作られていて、そこで演じられる演技や役者までが、寂しい印象を持ってしまうのは僕だけでしょうか。



華やぎがない


バブル時代とまでは言わないまでも、もう少し華やかな演出がないと、見ている方が寂しくなります。近頃は海外ドラマがたくさん放送されていて、それらはコロナ以前に制作されたものであることもあって、華やかなので、余計に日本のドラマが悲しくなります。ただし、海外ドラマも新規制作が止まっているのか、ずいぶん初めの方のシーズンを再放送している傾向も見受けられて、そろそろコロナの影響が出ているのかもしれません。

テレビの画角が16:9になり、しかもプログレッシブ(フィルムトーンのような暗めの印象を与える)でフルハイビジョン(高精細)のため、画面の中の世界の作り込みがいい加減だと、非常にダサく寂しい映像になります。ドラマやCMの新規制作は始まったものの、制作者の「入れ込み方」がまだ本格的でないのかもしれません。



タレントが画面に出続ける意味


寂しくなる理由のもうひとつは、視聴者である我々が、出演者たちの顔を「久々に見る」、という「過去の人を視る」ような気持ちになっていることもあるも知れないな、と思います。タレントや歌手、俳優が、なにがなんでも画面に出続けることを重要視する意味が、これなんでしょうね。


スタジオ

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