動画・映像制作用語
【物撮り】
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butsudori
商品や小物を静止画で撮影する「物撮り」は、特にECサイトやカタログなど、商品の情報を視覚的に伝える上で重要な役割を果たします。1日の撮影では香盤表の最後に予定されることが多いですが、プロモーションとしての映像の場合、非常に重要なビジュアルになりますので、十分な準備と時間が欲しいものです。
ライティング
形状光: 被写体の形状を強調し、立体感を出す。
指向性光: 特定の部分を照らし、陰影を強調する。
拡散光: ソフトな光で、被写体を優しく包み込む。
構図
シンプル: 背景をシンプルにすることで、被写体を際立たせる。
規則性: 規則的な配置で、整然とした印象を与える。
対称性: 左右対称の構図は、安定感と美しさを生み出す。
レタッチ
色調調整: 商品の色をより鮮やかに、または落ち着いた印象にする。
ノイズ除去: 画像のノイズを減らし、クリアな画像にする。
レタッチ: 傷や汚れを修正したり、不要な部分を削除したりする。
活用例
ECサイト: 商品の魅力を最大限に引き出し、購買意欲を高める。
カタログ: 商品のラインナップを分かりやすく紹介する。
広告: 商品の特長をアピールする。
物撮りは、商品の魅力を最大限に引き出すための技術です。ライティング、構図、レタッチなど、様々な要素を組み合わせることで、魅力的な商品画像を作成することができます。
【関連用語】
1. 卓撮り(たくどり)
テーブルや専用の撮影台の上で行う物撮りの基本的な手法です。商品撮影やテレビ通販、料理番組などで頻繁に使用されます。現場では「卓撮りで」という指示が一般的です。被写体の高さに合わせて三脚の高さを調整し、俯瞰(真上)や斜めアングルなど、商品の特徴を最も効果的に見せる角度を選択します。LED照明やレフ板を使用して陰影をコントロールし、商品の質感や特徴を的確に表現することが重要です。特に光沢のある商品や透明な商品の撮影では、反射や映り込みの処理が技術的なポイントとなります。
2. 回し撮り(まわしどり)
商品を回転させながら全周の様子を撮影する手法です。ターンテーブルを使用します。商品の360度view撮影やWeb用素材として需要が高く、特にEコマースサイトでの商品紹介に多用されます。回転速度の調整や照明の配置が重要で、商品の質感を均一に見せるための技術が必要です。最近では、スマートフォンでの閲覧を考慮した撮影も増えています。
3. マクロ撮影
商品の細部や質感を極めて接近して撮影する手法です。特殊なマクロレンズや接写リングを使用します。宝飾品や精密機器、食品の質感表現などで重要な撮影技法です。被写界深度が極めて浅くなるため、ピント合わせが難しく、高度な技術が必要とされます。照明の微妙な調整も重要で、商品の素材感を的確に表現することが求められます。
4. レイアウト撮影
複数の商品を効果的に配置して撮影する手法です。商品のサイズ感や使用シーン、ライフスタイルを表現します。カタログやECサイト用の撮影で多用され、商品同士の関係性や使用イメージを伝える重要な手法です。構図やバランス、色彩の調和など、デザイン的な要素も重要になります。スタイリストとの連携が必要不可欠です。
5. 分解撮影
商品の内部構造や部品を見せるための撮影手法です。「分解カット」とも呼ばれ、製品の特徴や性能を説明する際に使用されます。家電製品や機械製品の撮影でよく使われ、部品の配置や順序、機能の説明を視覚的に表現します。技術的な正確さと視覚的な分かりやすさの両立が求められ、専門家との連携が必要になることも多いです。時には複数のカットを組み合わせて、商品の機能や特徴を段階的に説明していきます。
6. やおや
手前から奥に向かって高く(傾斜をつけ)被写体を配置することで、カメラから全体が見えるようにすることを「やおや」にする、といいます。