動画・映像制作用語
【センチュリー】
C
century
撮影現場や撮影スタジオの照明機材の必須アイテムとして知られるセンチュリースタンドは、独特な構造を持つ照明用スタンドです。3本の脚は折りたたみ式ではなく、曲げパイプを3段重ねにした設計になっています。各脚の長さは意図的に異なっており、収納時にコンパクトに重なるよう工夫されています。
センチュリースタンドは商品名
Century StandとC-Standは Matthews Studio Equipment, Inc.の登録商標です。
この照明用スタンドは、優れた機能を持っていて他に類を見ないため、商標名がそのまま照明用語として定着しています。
実は「センチュリー」という名称は、本来スタンド本体ではなく、付属のエクステンショングリップアーム(センチュリーアーム)を指す言葉でした。しかし現在では、スタンド本体とアームを含めたセット全体を指すように意味が拡大しています。
機能性
最大の特徴は、スライディングレッグと呼ばれる便利な機構です。各脚の高さを個別に調整でき、適度な重量があるため、段差のある場所でも安定して設置できます。この優れた安定性から「不整地スタンド」という別名でも呼ばれ、小型版は「ミニセンチュリー」または「ミニセン」として親しまれています。
スタンド上部には様々な機材を取り付けられる接続部があり、照明器具だけでなく、カポックや黒フラッグなどの光量調整機材も自在に設置可能です。また、グリップヘッドとセンチュリーアームを組み合わせることで、より細かな位置調整が可能になります。
【関連用語】
1. レフ板
照明器具で照らした光を反射させ、影を補填したり、光量を調整したりする板。白、銀、黒など、様々な種類のレフ板があります。
2. バウンス
照明器具の光を天井や壁に反射させて、被写体に柔らかく光を当てること。自然な光を再現したい場合に有効です。
3. ND(フィルター)
光の量を減らすことで、露出を調整し、シャッタースピードを遅くしたり、絞りを大きく開けたりすることができます。カメラのレンズに装着するのもNDフィルターと言いますが、照明道具としてのNDフィリターはビニール状で、服生地のようにロールで販売されています。
4. スカイ
タジオ撮影で、天井や壁に設置された大きな照明器具を指します。広範囲に光を当てたり、柔らかな光を演出したりするために使用されます。
5. クランプ
スタンド類に照明器具やカポックなどを固定するための器具です。
6. カポック
大型の反射板のことを指します。片面が白、もう片面が黒色の発泡性樹脂板の大きな板を2枚繋げて使用することが一般的で、自立させることができます。単に白ないしは黒色の発泡性樹脂板のことを言うこともあります。
光を拡散させる: 白い面を被写体に向けることで、光を柔らかく拡散させ、影を柔らかくすることができます。特に人物撮影で、全身に柔らかな光を当てたい場合に有効です。
光を遮る: 黒い面を被写体に向けることで、光を遮り、影を強調することができます。背景を暗くしたり、光量を調整したりする際に使われます。