動画・映像制作用語
【構図】
K
kouzu
「構図」とは写真や映像撮影において、画面の中に何をどのように配置すれば、見る人に意図する印象を与えられるか、トーリーを伝えられるかなどを意識してデザインした、1枚の画の中の構成のことを言います。
構図の役割
視覚的な整理
構図は、作品を見た人が混乱することなく、スムーズに印象を捉えられるようにします。
メッセージの伝達
何を表現したいのかを明確にし、見る人にそのメッセージを効果的に伝えます。
バランスの創出
作品全体のバランスを整え、安定感や躍動感など、様々な印象を与えることができます。
構図に必要な要素
構図を構成する要素として、線、形状、色、濃淡、フォーム、方向性、空白などが挙げられます。これらの要素をどのように組み合わせるかによって、作品の雰囲気が大きく変わります。
単にオブジェクトの配置だけにとどまらず、光の方向性や色の濃淡なども構図に大きな影響を与えますので、結局のところ撮影者や創作者の感性によって生み出された構図は、その人の何らか意図を表していると言え、世に言われる「構図法」とは、それらを性質的に分類した名称に他ならないものではないでしょうか。
したがって、構図法に倣って構図をつくるという創作法は本末転倒と私は考えています(当サイト筆者)。
一般的に行われている構図法
画面を縦横それぞれ3等分し、その線が交わる点に重要な被写体を配置する構図です。安定感があり、自然な印象を与えることができます。
黄金比構図
黄金比(約1:1.618)に基づいた構図で、視覚的に最も美しいとされています。安定感と躍動感を兼ね備え、洗練された印象を与えます。
対角線構図
画面の対角線上に被写体を配置する構図です。動感や躍動感を表現し、ダイナミックな印象を与えます。
S字構図
視線が自然とS字を描くような構図で、柔らかく流れるような印象を与えます。女性らしい曲線美や優雅さを表現するのに適しています。
フレームイン構図
窓やドアなど、別のフレームの中に被写体を配置する構図です。奥行き感を出したり、被写体を強調したりすることができます。
日の丸構図
被写体を画面の中心に配置するシンプルな構図です。被写体を際立たせたいときに効果的です。
ルールオブサーズ
三分割構図をさらに発展させた構図で、画面を9分割し、その線が交わる点に重要な要素を配置します。
パース構図
建物の線や道など、遠近法を利用して奥行きを強調する構図です。空間の広がりや遠近感を表現するのに適しています。
【当サイト関連ブログ】
【関連用語】
1. フレーム
カメラが切り取る範囲の境界線である。日本語の額縁を想像するとわかりやすい。また動画信号の最小単位はフレームであり、フレームが連続することで画面の中が動く動画となる。
2. 画角
画角とは、レンズを通して写真や映像に写る範囲を角度で表したものです。一眼カメラ用レンズの仕様ではカメラに写る長方形の対角線の角度で表されることが多く、画角が広ければ写真に写る範囲が広くなります。
3. アスペクト比
アスペクト比とは、動画の縦と横の長さの比率を表す数値です。一般的に、16:9(ワイド画面)や4:3(スタンダード)がよく知られていますが、他にも様々な比率が存在します。
4. 平行投影法
対象物から出た平行な線を投影面(絵画の平面)に投影する方法です。
5. 中心投影法(透視投影法)
対象物から出た光線が一点(視点)を通って投影面(絵画の平面)に投影する方法です。