動画・映像制作用語
【NTSC 】
N
ntsc
NTSC(National Television System Committee:全米テレビジョンシステム委員会)とは、かつて北米や日本などで使用されていたアナログカラーテレビ放送方式の規格です。
1. NTSCの概要
1953年にアメリカで開発されたアナログカラーテレビ放送の規格です。
かつては、アメリカ、日本、カナダ、韓国、台湾、メキシコ、フィリピンなどの国々で採用されていました。
日本では、2011年のアナログ放送終了に伴い、NTSC方式も終了しました。
現在では、デジタルテレビ放送に移行しており、NTSC方式は過去の規格となっています。
2. NTSCの特徴
インターレース方式を採用しています。
フレームレートは29.97fps(フィールドレートは59.94フィールド/秒)です。
走査線数は525本です。
色信号の伝送方式にコンポジットビデオ信号を使用します。
3. NTSCの歴史
NTSCは、1941年に白黒テレビ放送の規格として策定されました。
1953年にカラーテレビ放送の規格が追加されました。
その後、長年にわたりアナログテレビ放送の標準規格として使用されてきました。
デジタルテレビ放送の普及に伴い、その役割を終えつつあります。
4. NTSCの課題
NTSC方式は、技術的な制約から、色信号の安定性に課題がありました。
また、インターレース方式を採用していたため、動きの速い映像では「ちらつき」や「櫛状のノイズ」が発生することがありました。
5. NTSCと他の規格
NTSC以外のアナログカラーテレビ放送規格としては、PAL(主にヨーロッパで使用)やSECAM(主にフランスや東ヨーロッパで使用)などがあります。
これらの規格は、フレームレートや走査線数、色信号の伝送方式などが異なり、互換性がありませんでした。
6. デジタル放送への移行
現在では、世界的にアナログ放送からデジタル放送への移行が進んでいます。
デジタル放送では、NTSC、PAL、SECAMなどのアナログ規格は使用されず、より高画質な映像が提供されています。
NTSCは、アナログテレビ放送の歴史において重要な役割を果たした規格ですが、デジタル技術の発展とともに、その役割を終えました。
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1. インターレース(Interlace)
アナログテレビ放送の時代に考案された技術で、限られた伝送帯域幅の中で効率的に映像情報を送るために、1つのフレームを奇数行と偶数行の2つのフィールドに分割し、交互に表示する技術です
2. プログレッシブ (Progressive)
プログレッシブとは、映像を構成するフレーム(静止画)を分割せずに、すべての行を同時に表示する映像表示方式です。インターレース方式のような「ちらつき」や「櫛状のノイズ」が発生せず、より自然で高精細な映像を表示できます。動きの速い映像でも残像感が少なく、クリアな映像を表示できます。
パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスとの相性も良く、安定した映像を表示できますが、インターレース方式に比べてデータ量が大きくなります。
3. PAL (Phase Alternating Line)
PALとは、主にヨーロッパやオーストラリアなどで使用されていたアナログカラーテレビ放送方式の規格です。
特徴
インターレース方式を採用しています。
フレームレートは25fps(フィールドレートは50フィールド/秒)です。
走査線数は625本です。
色信号の伝送方式にコンポジットビデオ信号を使用しますが、NTSC方式よりも色信号の安定性に優れています。
4. SECAM (Séquentiel couleur à mémoire)
SECAMとは、主にフランスや東ヨーロッパ、アフリカの旧フランスなどで使用されていたアナログカラーテレビ放送方式の規格です。
特徴
インターレース方式を採用しています。
フレームレートは25fps(フィールドレートは50フィールド/秒)です。
走査線数は625本です。
色信号の伝送方式に周波数変調を使用し、色信号の安定性に優れています。
5. アスペクト比
映像や画像の縦横比を表す数値です。例えば、「16:9」というアスペクト比は、横方向の長さが縦方向の長さの16/9倍であることを意味します。