動画・映像制作用語
【プログレッシブ】
P
progressive
「プログレッシブ」方式とは、デジタル時代に入り普及した技術で、インターレースのように1つのフレームを分割せずに、同時に表示する技術です。
1. 仕組み
1フレームの画像を一度に表示して、定められたフレームレートに従って、1秒間に24回、30回、60回といったようにフレームを連続して表示することで、滑らかな映像を作り出します。
30pとか60pという表示の“p”がそれを表しています。
2. プログレッシブ方式のメリット
インターレース方式のような「ちらつき」や「櫛状のノイズ」が発生せず、より自然で高精細な映像を表示できる点です。また、動きの速い映像でも残像感が少なく、クリアな映像を表示できます。さらに、パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスとの相性も良く、安定した映像を表示できます。
3. プログレッシブ方式のデメリット
インターレース方式に比べてデータ量が大きくなる点です。そのため、高解像度や高フレームレートのプログレッシブ映像を伝送するためには、より広い伝送帯域幅が必要となります。また、古いテレビやDVDプレーヤーなど、プログレッシブ方式に対応していない機器では、映像が正常に表示されない場合があります。
4. プログレッシブ方式の活用
デジタル技術の進歩によりプログレッシブ方式が主流になった現在では、映画、放送、ゲーム、Web動画など、様々な分野でプログレッシブ方式が活用されています。
特に、スポーツ中継やゲームなど、高速な動きを含む映像の撮影・配信には、60pや120pといった高フレームレートのプログレッシブ方式が用いられています。
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【関連用語】
1. インターレース(Interlace)
アナログテレビ放送の時代に考案された技術で、限られた伝送帯域幅の中で効率的に映像情報を送るために、1つのフレームを奇数行と偶数行の2つのフィールドに分割し、交互に表示する技術です
2. NTSC (National Television System Committee)
かつて北米や日本などで使用されていたアナログカラーテレビ放送方式の規格です。長年にわたりアナログテレビ放送の標準規格として使用されてきましたが、デジタルテレビ放送の普及に伴い、その役割を終えつつあります。
特徴
インターレース方式を採用しています。
フレームレートは29.97fps(フィールドレートは59.94フィールド/秒)です。
走査線数は525本です。
色信号の伝送方式にコンポジットビデオ信号を使用します。
3. PAL (Phase Alternating Line)
PALとは、主にヨーロッパやオーストラリアなどで使用されていたアナログカラーテレビ放送方式の規格です。
特徴
インターレース方式を採用しています。
フレームレートは25fps(フィールドレートは50フィールド/秒)です。
走査線数は625本です。
色信号の伝送方式にコンポジットビデオ信号を使用しますが、NTSC方式よりも色信号の安定性に優れています。
4. SECAM (Séquentiel couleur à mémoire)
SECAMとは、主にフランスや東ヨーロッパ、アフリカの旧フランスなどで使用されていたアナログカラーテレビ放送方式の規格です。
特徴
インターレース方式を採用しています。
フレームレートは25fps(フィールドレートは50フィールド/秒)です。
走査線数は625本です。
色信号の伝送方式に周波数変調を使用し、色信号の安定性に優れています。
5. アスペクト比
映像や画像の縦横比を表す数値です。例えば、「16:9」というアスペクト比は、横方向の長さが縦方向の長さの16/9倍であることを意味します。